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フェノール樹脂の橋架け構造解析

硬化したフェノール樹脂は溶剤に不溶で非晶質であるため、詳細な構造解析は困難でした。当社では、熱分解ガスクロマトグラフィー(PyGC)を用いて、フェノール樹脂の橋架け構造を定量的に解析する手法を開発しました。
新しい解析法により、樹脂設計や品質管理を支援いたします。

熱分解ガスクロマトグラフィーによる解析の概要

フェノール樹脂を瞬間熱分解すると、元の樹脂構造を反映したメチルフェノール類が生成します。樹脂構造とメチルフェノール類生成量の関係を表す相関式を用いて、フェノール樹脂の橋架け構造を定量的に解析します。

 (1)メチルフェノール類を定量

 (2)相関式を用いて解析

得られる情報

メチレン/フェノール(モル比)
重合度や架橋密度に相当
ゲル化点で1.0、
100%架橋で1.5
オルソ率(%)
オルソ位に結合したメチレンの割合
ランダムノボラックは 約50%、
ハイオルソノボラックは 約80%

本解析法は「分析化学、59、1013(2010)」に掲載されました

応用解析例 <架橋密度と耐熱性>

樹脂の耐熱性に影響する要因を把握する目的で、ノボラック/ヘキサメチレンテトラミン系硬化樹脂の架橋密度と耐熱性の関係を調べました。
ハイオルソノボラックに対して、硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン)の添加量を変えて調製した硬化樹脂の解析結果を図1に示します。

フェノール樹脂

ハイオルソノボラック
硬化剤量 0、5、10、15、20 phr
硬化条件 170℃/1h

硬化剤量の増加に従い、オルソ率は低下し、メチレン/フェノール(架橋密度に相当)は高くなることがわかります。次に、2種類のノボラックから調製した硬化樹脂の架橋密度と500℃における加熱減量の関係を図2に示します。

 図1 ハイオルソノボラック系硬化樹脂の橋架け構造

加熱減量測定条件
雰囲気 窒素気流中
昇温速度 10℃/min

図2から、加熱減量を少なくする架橋密度の範囲が明確になりました。

本解析法の応用で、硬化剤の最適量を決める樹脂設計や特性を安定化させる条件設定が可能になります。

 図2 フェノール樹脂硬化物の架橋密度と耐熱性

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